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コラム

仕事と遠距離介護、両立するために知っておきたいコツ

NPO法人パオッコ 理事長 太田 差惠子

平成27年度取材

「呼び寄せ」「Uターン」共に困難な場合も

遠く離れて暮らす老親がけがや病気をして介護が必要になると、子の多くは、今後どのように介護したらいいか、と頭を抱えることになります。「同居」という言葉が脳裏に浮かびますが、具体的な検討に入ると、困難な場合が珍しくありません。

<親の気持ち>

「住み慣れた家を離れたくない。ここには、見慣れた風景や、食べなれた食事、友人・知人もいるんだから!病院だって変わりたくない」

<子の気持ち>

「そうは言っても、仕事があるし、いまの生活がある。実家に戻ることはできない」

「呼び寄せ(子の家、近所への移住)」は気が進まない親と、「Uターン(親の家、近所への移住)」は仕事等の事情で難しい子ども。

こうして誕生した第3の選択肢が「遠距離介護」です。筆者が、1998年に出版した著書のタイトルに使うことで世の中に広まりました。

「遠距離介護」というと、時間的にも、経済的にも負担が増す、とデメリットばかり思い浮かべるかもしれません。けれども、「メリット」もあります。

「遠距離介護」のメリットとは

「遠距離介護」のメリットは、なんと言っても、転居を伴わないので親子それぞれがこれまで通りの生活を継続できる点にあります。

さらに、離れて暮らしていると、時々しか会えないので、相手を思いやる気持ちを維持しやすく優しくできることも。
さらに、3点目は、介護保険のサービスを利用しやすいこと。例えば、ホームヘルプサービスには「生活援助」といって食事の用意や掃除などのサポートがあります。親だけで暮らす世帯なら利用できますが、健康な子どもが同居していると、対象外となることが一般的です。そして、もっと症状が進み、施設介護が選択肢となった場合、遠距離介護では介護保険で入れる特別養護老人ホームに申し込んだ場合、入所の優先順位が高くなる傾向があります。入所は申込み順ではなく、必要度の高い人順だからです(親だけで暮らす世帯=必要度が高い)。

遠距離介護を上手におこなう5つのコツ

もちろん、通いの交通費をどうするか、日々の介護をどうするか等、課題はたくさんあります。
家族ごとに状況が違い、親の性格や心身状態、経済状態も異なります。「こうすることが正解」という方法はありませんが、もし「遠距離介護」を選ぶのなら、コツがあるのでご紹介します。

コツ1 親とのコミュニケーションを密に

「介護」が始まっていなくても、親の老いが気になりはじめたら、電話の回数を増やすなど、コミュニケーションを増やします。年齢を重ねると、介護、というほどの状況でなくても、物忘れが増えてきた、とか重い物の買い物が大変、など困っていることがあるかもしれません。

異変を察知したら、早めの受診を促すとか、何らかのサービスを導入するとか手立てを考えることができます。普段の親の様子を知ってこそ、状況悪化を食い止めることができます。(待ちの体勢では、親は「子どもに迷惑をかけたくない」と何も言ってこない可能性が)

コツ2 サービスや制度の情報を積極的に入手

離れて暮らしているために、親の生活を直接サポートできないなら、サービスを導入しましょう。介護保険のサービス以外にも、自治体が独自におこなうサービス、ボランティアのサービス、民間のサービスと色々あります。コツ1で、親の異変を察知したら、モグラタタキの感覚で課題をつぶす。ひとり暮らしなら緊急時にボタン1つで通報できる「緊急通報サービス」(自治体が実施)も利用できる可能性が高いです。

同時に、勤務先にどのような介護支援策があるかも確認します。今後、休暇をとって、親元に出掛けなければならないことが増えるかもしれません(交通費を安くするための情報入所も怠りなく!例えば、飛行機には「介護帰省割引」があります。)

コツ3 地域の人、専門職を味方に

普段、親の傍にはいられないなら、ちょっと様子をのぞいてくれる近隣の人を見つけておけると安心です。帰省時に、「何かのときはよろしくお願いします」と挨拶をおこない、立ち話のできる関係になりたいものです。

さらに、親の暮らす住所地を管轄する「地域包括支援センター」には早めに顔出しをして、地元にどのようなサービスがあるか確認しておきましょう。たまには親の通院に同行して親の主治医と顔を合わせたり、介護の専門職(ケアマネジャー等)ともコミュニケーションを確保し、「一緒に親を介護する」体勢を築きます。

コツ4 原則、介護資金は親のお金で

サービスを利用すればお金はかかります。介護は親の自立を応援するために行うことなので、原則親本人のお金をあてましょう。そのためには、親の年金、預貯金がどれくらいあるか知る必要があります。急にお金の話はしにくいもの。コツ1で親子の対話が深まっていてこそできる話です。同時に、お金のことはトラブルになりがちなので、きょうだいがいる人は、誰がどのように負担するか家族みんなで話し合っておくことが重要です。

親が経済的にゆとりのある場合は、子が通う交通費も親が負担しているケースが珍しくありません。

コツ5 施設も選択肢に

親の多くは在宅での暮らしを望んでいます。そのために、専門職と連携し、サービスを導入することが欠かせません。

それでも、在宅での生活が難しくなることも。そのようなときは、施設介護も選択肢として検討しましょう。例えば、親が1人でトイレに行けなくなれば、在宅での遠距離介護は限界に近づいています。

施設に入れば、そこに通って、親の生活を見守る。遠距離介護は在宅だけではありません。

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